尺八初心者に送る、吹き方のコツ

ここ最近、尺八を教えていて感じた事を書いていこうと思います。
やはり初めて尺八をやる、という方が多いので、そういった人達がハマりやすい部分について書いてみます。

1.音が出ない(出ても小さい)

どんなに頑張って息を吹きかけても音が出ない。または出ても蚊の鳴くような小さな音しか出ない。
これは、当て方、または唇の形が悪い場合がほとんどです。

1-1.尺八の構え方

まず尺八の構え方。
基本的には右手が下、左手が上になります。(逆でも大丈夫です。)
下の一孔と二孔の間に中指、その裏側に親指で支えます。
この時、両方の指が大体一直線になるようにしましょう。
そうしないと尺八が不安定になり、指に力を入れないと支えられなくなってしまいます。

演奏していて右手の指が痛くなったりしませんか?それは力の入れ過ぎが原因の場合があります。
もしくは指の当て方。親指の腹(やわらかい部分)で押さえないと痛くなりがちです。
親指の横の部分などで押さえるのはやめましょう。

1-2.口元への当て方、唇の形

そして口への当て方ですが、唇の下の部分に尺八をセットします。
この時、上すぎても下すぎても音は出しにくくなります。
後述の動画を参考にして下さい。
ちなみに解説しているのは私の師匠です。

そして、唇ですが、これは「力の入れすぎ」な状態になっている人が多い。
また、前に突き出したような状態や、逆に引きすぎたり、というような状態になってしまっている人。
これでは尺八で重要な唇のコントールができなくなってしまいます。

まずは口を閉じ、唇と歯に少しだけ隙間を作り、息は「フー」と出しましょう。
この時、息が強くなりすぎないように。

以下の動画が参考になります。

2.甲の音が苦手

2-1.強く吹かない

甲、つまり高い音がなかなか出ない、出ても息の音が混じりきれいに出ない。
そもそもなぜ甲の音は出るのでしょう?
それは息のスピードが上がることで音が上がります。
では、息のスピードを上げるにはどうするか?

私がいつも例えに使うのは「ホース」です。
ホースを唇、水を息と思って下さい。
ホースの先をつぶすと水は勢い良く飛んでいきます。
それと同じように、唇の隙間をせまくすれば、スピードが上がります。

また、声を出す時、低い声と高い声を出す事を考えてみましょう。
高い声を出す時、ノドが少し上がっている感覚がありませんか?
男性でしたら、のど仏が上がっていると思います。
尺八もそれと同じです。高い音を出す時、ノドが上がる感覚を覚えましょう。
これが甲を出すコツです。

よく、甲の音を出そうとして強く吹いてしまう人がいますが、これはいけません。
強く吹けば確かに息のスピードも上がるので、甲の音は出るかもしれませんが、そうすると甲の音を出す時は常に強く吹くクセが付いてしまいます。
しかし、曲を演奏する上で高い音の方が必ず強くなるなんてありえるでしょうか?
ないですよね。
なので、息を強く吹いて「無理やり」音を上げるのはやめましょう。
いずれは直さなくてはならなくなります。

心がけることは、乙も甲も息の強さは「変えない」ことです。
唇のコントロールで音を上げられるようにしましょう。

2-2.当て方を変えない

甲の音を出すと、唇と唄口が近付いてしまう人がいます。
これはいわゆる「メリ」の状態になってしまいます。
これでは甲の音が出ても、音程が低くなってしまいます。

他にも、アゴあたりの位置を微妙に変えたりする人がいますが、あまりおすすめできません。
なぜなら、演奏中では乙と甲の音は入り乱れて出てきます。
ゆっくりな曲ならまだしも、速い曲の時はいちいち当て方を変えるのは非常に大変です。

ですので、乙も甲も当て方を変えるのはやめましょう。

3.まとめ

偉そうにいろいろと書いてきましたが、要は
「余計なことをしない」
ということを分かって欲しいのです。
「音を出す」ということは特別なことと考えている人が多いのですが、大事なのは呼吸、そしてスムーズな呼吸をジャマしないことだと思っています。
しっかりした吹き方さえマスターできれば、あとは変に変えないということが大事なんです。
文章では伝えきれない部分もありますが、ご質問などありましたら何でもどうぞ!

あと、「思い込み」は捨てて下さい。
「こう吹かないと出ない」とか思い込むことで変なクセは付いてしまいます。
できれば、第三者からアドバイスをもらいながら練習するのがいいと思います。

「音はそのうち出るようになる」ものではなく、正しい吹き方を身に付けなければ出ません。
ただ、正しい吹き方をすれば経験が短くてもしっかりした音を出す事ができますので、練習の仕方を間違えないようにして欲しくて書いてみました。

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